はじめに
前回はイギリスを代表する5つ星高級ホテルであるミレニアムホテル・ロンドン・メイフェア(現:ザ・ビルトモア・メイフェア)についてご紹介いたしました。
連載第2回では、そんなミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアを悩ませていた空調温水配管の赤錆問題を、配管内赤錆防止装置であるNMRパイプテクター®が解消した話について詳しくみていきます。
NMRパイプテクター®-NMRPT-のイギリスでの導入実績
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアの空調温水配管内では赤錆による腐食が進行し、一刻も早く赤錆対策をする必要がありました。
そこで選ばれたのが、低コストで導入でき、環境負荷も小さいNMRパイプテクター®でした。
NMRパイプテクター®はそれ以前にも、イギリスの重要施設に多く導入されており、数々の配管の赤錆問題を解決してきました。
例を挙げますと2006年には、ウィッティントン病院やロイヤルガーデンホテル・ロンドンへ導入され、その翌年の2007年にはバッキンガム宮殿や、ウィンザー城に導入されています。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアでの設置効果
そういった確かな実績を経て、2008年にミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアにてNMRパイプテクター®が設置される運びとなりました。
導入前、空調温水配管内循環水の鉄分値は赤錆の溶出によって、15.70mg/ℓ という非常に高い値を示していました。
しかしNMR パイプテクター®の設置から6週間後の再検査では、鉄分値は0.16mg/ℓまで減少しており、設置前後で比較すると水中に溶出した鉄分の量が100分の1ほどになった事が分かります。
このように空調温水配管内の循環水の水質は、全く問題のない水準まで回復しました。
これは既存の赤錆が黒錆に還元され、それによって配管内部の表面に黒錆の皮膜ができ、新規の赤錆の発生も抑制されたためです。
黒錆は赤錆の10分の1ほどの体積の非常に緻密で強固な結晶であるため、赤錆閉塞といわれる配管のつまりを解消するばかりか、配管を強化します。
配管を強化するその効果は驚くばかりで、配管寿命を40年以上伸ばすことが可能です。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアのように何世紀も使用可能なレンガ造りの堅牢な建物となると話は別ですが、日本国内の一般的な建築物であれば、この延命は建物寿命に匹敵し、配管の更生としては申し分ありません。
今回はミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアの空調温水配管におけるNMRパイプテクター®の赤錆防止効果を具体的な数値とともに見ていきました。
連載最終回では、NMRパイプテクター®の魅力の一つである「エコ」に着目し、その点を詳しくご紹介していきます。