はじめに
前回はイギリスの名門大学であるロンドン大学シティ校をご紹介させて頂きました。
連載第2回では、ロンドン大学シティ校が抱えていた赤錆問題と、それをわずか2週間で解決してみせたNMRパイプテクター®についてお話しします
NMRパイプテクター®-NMRPT-導入前の状況
ロンドン大学シティ校では空調温水配管にSGP(亜鉛めっき鋼管)を使用していました。
SGPは酸化亜鉛の皮膜で表面を覆い、鉄素地を保護する事で防錆を実現している配管です。
しかし亜鉛めっきが劣化するとそこから赤錆が発生しやすく、SGPの耐用年数は10~20年ほどとあまり長くありません。
そのため、築年数が40年を超えたロンドン大学シティ校の空調温水配管では赤錆が発生し、劣化が著しく進行していました。
赤錆の溶出によって水が茶色く濁る赤水や、配管接合部からの漏水の発生など一刻も早く対策をする必要がありました。
水中鉄分値の計測では3.41mg/ℓという非常に高い数値が示されました。
比較のために、日本冷凍空調工業会の定める水質基準の例を挙げますと、鉄分値は1.0mg/ℓ以下である事が求められています。
NMRパイプテクター®-NMRPT-の設置後の防錆効果
このように深刻な赤錆問題を抱えていたロンドン大学シティ校の空調温水配管でしたが、NMRパイプテクター®設置後わずか2週間で赤錆の進行が完全に停止します。
導入前3.41mg/ℓだった配管内循環水の鉄分値が、なんと0.08mg/ℓまで減少したのです。
理論的には75%以上の既存の赤錆が黒錆へと還元された事になります。
黒錆は鉄を赤錆腐食から保護する作用があり、さらに赤錆の1/10ほどの体積の強固で緻密な結晶であるため配管を強化します。
この黒錆の作用によって、ロンドン大学シティ校の空調温水配管は40年以上使用する事が可能となりました。
日本国内において鉄筋コンクリートでできた建築物の耐用年数は、一般的に40~50年程度と言われており、40年以上の配管の延命は建物寿命にも匹敵する十分な更生です。
次回連載最終回では、驚くべき防錆性能もさることながら、様々なメリットも併せ持つNMRパイプテクター®のその魅力に迫ります。