はじめに
配管は建物の給排水や空調に使われ、住まいや様々な施設を支える重要な建築設備です。
そしてその種類は建物が建てられた年代や、配管の使用用途に応じて様々です。
本連載では、配管内赤錆防止装置であるNMRパイプテクター®が東京理科大学の複数のキャンパスで採用された事例をご紹介します。
東京理科大学の事例を通して、NMRパイプテクター®が特定の配管だけではなく様々な種類の配管に柔軟に対応し、その優れた防錆性能を発揮出来るということを知って頂ければと思います。
配管について
東京理科大学の導入事例をご紹介する前に、まずは建物の配管に良く使われている3つの配管(亜鉛めっき鋼管・塩化ビニルライニング鋼管・ステンレス鋼管)についてご紹介します。
亜鉛めっき鋼管(SGP)
亜鉛めっき鋼管は赤サビが発生しやすく現在では給水管に用いられる事は少なくなりましたが、1970年代前半頃までの建物には広く使われていました。
酸化亜鉛の皮膜で表面を覆い、鉄素地を保護する事で防錆を実現しています。
しかし亜鉛めっきが劣化するとそこから赤錆が発生しやすく、亜鉛めっき鋼管の耐用年数は10~20年ほどとあまり長くありません。
塩化ビニルライニング鋼管(VLP)
現在使用されている建物の多くでは、給水管に塩化ビニルライニング鋼管が用いられています。
鋼管の内側に塩化ビニルがコーティングされており、直管部分は赤錆が発生する事はありません。
一方で配管と配管の継ぎ手では赤錆が発生しやすく、そこから赤錆が成長して赤錆閉塞と言われる詰りの発生や、さらに腐食が進行するとネジ山の赤錆腐食による脱落などが起り、漏水の原因にもなります。
亜鉛めっき鋼管より耐用年数は長く30年ほどです。
ステンレス鋼管
ステンレス鋼管は腐食に非常に強く、耐用年数も30~40年ととても長いです。
ただし高額なため、建物全体の配水管をステンレス鋼管にするというのはあまり現実的でありません。
またステンレス製といえども完璧な防錆を実現している訳ではなく、エルボ部と言われるL字形をした継手や配管と配管を繋ぐフランジなど溶接が使われている部分が弱点で、そこを起点に赤錆が発生してしまいます。
以上が配水管に良く使われている3つの配管(亜鉛めっき鋼管・塩化ビニルライニング鋼管・ステンレス鋼管)の特徴です。
次回は、いよいよ東京理科大学にNMRパイプテクター®が導入された事例を詳しくご紹介します。
引き続きお楽しみください。