はじめに
今回ご紹介する新宿の有名書店が入るこのビルは、いつも多くの人で賑わっています。 今から十数年前、空調冷温水配管の老朽化による赤錆対策に悩まされていました。
天井裏にアスベストを使用しているため、配管更新工事を行う事が実質的に不可能だったのです。
今回はその問題を日本システム企画株式会社が独自に開発したNMRパイプテクター®が解決した事例をご紹介します。
93年続く老舗の新宿の有名書店
新宿の有名書店は東京・新宿三丁目で創業し、今年(2020年現在)で93年となる老舗書店です。
創業当時は従業員5名の個人書店でしたが、今では日本全国に71店舗を持ち、世界9ヶ国に30店の店舗網を構築しています。
また、全国の大学や研究機関と取引があり、和洋書籍・雑誌の販売から大学の蔵書管理システムの構築、英文校正・学術翻訳まで幅広く、学術研究支援サービスの提供を行っています。
文化・芸術・情報を発信する新宿の有名書店
新宿の有名書店は、出版やホールの運営、芸術創造の発展への寄与を目的とした演劇賞、寄席の開催など、文化的事業にも貢献しています。
書店は、文化・芸術・情報の発信拠点として地域社会に愛され発展を遂げ、現在では世界各国の店舗で日本の書籍を販売するなど、文化・芸術・情報をグローバルに発信する存在です。
新宿のランドマークとして愛されるビルディング
書店新宿本店があるビルディングは、書店・劇場・画廊・物販や飲食のテナントを有する、地上9階・地下2階の鉄骨鉄筋コンクリート造の複合ビルとして1964年に完成しました。
設計は戦後の日本建築界を代表する建築家で、ル・コルビュジエに師事した前川國男氏が担当しています。
前川氏が「何か一息つける場所を造りたい」と考えて設けた1階の広場は、現在も待ち合わせをする多くの人々に利用されています。
ビルディングは新宿のランドマークとしての役割を果たしており、東京都の景観づくりにおいて重要であるとの評価を受け、2017年に東京都選定歴史的建造物に選ばれています。
ビルディングの抱える問題
ビルディングの空調冷温水配管は亜鉛メッキ鋼管を使用しています。亜鉛メッキ鋼管の一般的な耐用年数は25年と言われています。
NMRパイプテクター®が導入された2005年当時、ビルディングは築41年で配管の耐用年数は大幅に超えており、配管内の赤錆によって近い将来必ず配管更新が必要でした。
しかし、最も配管更新工事を難しくしたのがアスベストの問題です。
ビルディングの天井裏にはアスベストが使用されているため、空調冷温水配管の更新工事は実質的に不可能な状況でした。
今回は、ビルディングの文化的重要性と抱えていた問題についてご紹介しました。
次回は、アスベストの危険性とNMRパイプテクター®が新宿の有名書店が入るビルディングに導入提案された背景についてご紹介します。