BBCでの導入事例 NMRパイプテクター®-NMRPT-

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はじめに

NMRパイプテクター®のもつ高い赤錆防止性能については、前回ご紹介致しましたBBCの事例を通して良く理解して頂けたかと思います。
今回は、配管内部でどういったことが起こり、防錆が実現されているのかについて詳しく見ていきます。

 

NMRパイプテクター®-NMRPT-の最大の特徴「NMR工法」

NMRパイプテクター®の最も重要な働きは、配管内部に発生した赤錆を黒錆に変える(還元する)ことです。
その際、水和電子と呼ばれる水の自由電子を利用しますが、水和電子は水の凝集(水分子の集合体)の内側にあるため、剥離放電させる必要があります。
NMRパイプテクター®は特定の電磁波を発し、水分子の水素核に共鳴振動を起こして回転運動させます。
この共鳴振動は核磁気共鳴(NMR)と呼ばれ、この現象と配管内の水の流れによって、水和電子の剥離放電が実現します。
核磁気共鳴(NMR)を応用した配管更生方法は世界的にも珍しく、それを可能にしたのはNMRパイプテクター®だけです。

 

配管を強化する黒錆

水和電子が供給された赤錆は還元されて体積が1/10の黒錆に変化し、配管内部に黒錆の皮膜が形成されます。
黒錆の被膜はあらたな赤錆の発生を抑制して配管の腐食の進行を止めるばかりか、黒錆自体が非常に強固な結晶なので配管は強化されます。

黒錆でコーティングする技術は、古くから鉄器などに広く用いられており、日本では南部鉄瓶、海外だと中華鍋に導入され現在も活用されている技術です。
奈良時代・平安時代の寺社の釘や丁番にも使用されていますが、黒錆の安定性は驚くばかりで、何百年経った現在でも赤錆から鉄素地を守っています。

 


以上のように、NMRパイプテクター®は黒錆の性質を上手く利用することで配管を更生しています。
それが実現できたのは、「NMR工法」という高い技術力があったからこそです。
連載最終回では、NMRパイプテクター®のコスト面でのメリットについてご紹介していきます。